ハーレムカルト
総合評価 :4.0

タイトルハーレムカルト
作者宇場義行
掲載誌コミックホットミルク
ジャンル:巨乳・3P/4P・女子高生

不良女生徒の志村笙子たちにいじめられた辰巳は、見るからに怪しい雰囲気の上級生に声をかけられる。彼女に誘われて入った家には、昨日いじめてきた志村笙子が縛られて横たわっていた。上級生はこれから志村を●すと言っていきなり服を脱ぎ出す。

商品価格等について

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キャラクターの魅力|カリスマと共依存の狭間で

宇場義行作「ハーレム・カルト1」の紹介画像
出典:宇場義行作「ハーレム・カルト

羽鳥島は一見、冷静で聡明なリーダーだ。

だがその正義感の裏には、他人を操ることでしか自己を保てない脆さがある。

彼女に惹かれていく辰巳は、最初は弱者の立場にいたが、次第に「救われたい」という願いから「救う側」へと変わっていく。

二人の関係は、友情とも師弟関係とも呼べない、危うい絆だ。

羽鳥島の中の孤独と、辰巳の中の憧れが共鳴し合うことで、彼らは互いの傷を覆い隠そうとする。

「正義」は、彼らにとって祈りであり、同時に逃避でもあるのだ。

構成と演出|整然とした混沌

宇場義行作「ハーレム・カルト4」の紹介画像
出典:宇場義行作「ハーレム・カルト4

物語は、依頼を受けて事件を解決するエピソードを重ねるうちに、いつの間にか巨大な組織的闇へと接近していく。

この構成が巧みで、ミステリー的な緊張感と人間関係の心理戦が同時に走る。

彼女に関わった生徒たちは救われるように見えて、その実、誰もが少しずつ「闇」に触れていく。

頼れるヒーローの顔をした彼女の物語は、次第に「正しさとは何か」を問う心理劇へと変わっていく。

読者体験|信じることの痛みを知る

宇場義行作「ハーレム・カルト8」の紹介画像
出典:宇場義行作「ハーレム・カルト8」

読者はこの作品を通して、人を信じることの怖さを突きつけられる。

羽鳥島の行動には共感と嫌悪が入り混じり、辰巳の視点から見る世界は、希望と絶望が交錯する。

誰もが誰かを救おうとし、同時に誰かを傷つけている。

その構図が、学園という小さな世界を、社会の縮図として浮かび上がらせる。

エンタメ性を保ちながらも、心に重く沈む読後感が残るのは、宇場作品ならではの深みだ。

まとめ|崩れ落ちる正義の美しさ

宇場義行作「ハーレム・カルト15」の紹介画像
出典:宇場義行作「ハーレム・カルト15」

『ハーレムカルト』は、単なる学園スリラーではない。

そこに描かれているのは、「正しさ」と「孤独」が背中合わせで存在する人間の本質だ。

羽鳥島も辰巳も、結局は誰かに理解されたかっただけの少年少女にすぎない。

その不器用な願いが、痛いほど切なく、どこか美しい。

信じることに疲れた夜、正しさに迷った時に、静かにページをめくりたくなる一冊。

チーズ

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